公正で中立な報道なんてありません!

偏向報道とは、マスメディアが特定の集団や個人にたいして、偏った擁護、又はバッシングなどを、自身や自社の都合により意図的におこなう、情報操作された報道です。

世界中、国営や民間を問わず、どこの報道機関であっても、絶対公正・絶対中立な立場や主張など存在しないことから、誇張や捻じ曲げは、少なからずどこにでも存在する問題ではあります。
日本でも、政治家の「失言」をよく取り上げて問題視し、徹底的追及していますが、こうした失言とされるものの一部は、前後の文脈を切り取り、発言者の真意を無視した報じ方によるものです。

例えば、保守(右)よりとされる産経新聞では、民主党や共産党、中国や韓国にたいして厳しく報じますし、リベラル(左)よりとされている朝日新聞や毎日新聞では、自民党やアメリカにたいして厳しく報じています。

そしてアメリカでは、このような傾向がもっと極端になっていて、保守政党である共和党を支持するFOXニュースでは、民主党のことをメチャクチャに報じていますし、リベラル政党とされる民主党よりのNYタイムズなどは、共和党にたいして批判的な記事を書く傾向にあります。

共産党が一党独裁支配をしている中国では、共産党に都合の悪い記事などは報じられませんし、報道機関に限らず、個人のSNSであっても、いきすぎた共産党批判であった場合は逮捕されますし、最悪の場合は(冗談や誇張ではなく)、死刑にされてしまいます。
そして隣国の韓国は、(中国にもありますが)民主国家にもかかわらず「愛国無罪(反日無罪)」とよばれる「日本国、日本人、日本の組織に対して利益を害する犯罪行為を行った者が罪に問われない」というものがありますので、韓国メデイアは、当然のように反日報道を繰り返しています。

そして「国境なき記者団」が調査して発表している「2020年世界報道自由度ランキング」で日本は、66位となりましたが、この国境なき記者団という組織は、明らかにリベラルの側によっていますし、記者クラブからの締め出しをくらった外国人記者たちの私情のあらわれだといえます。

このようにマスメディアが報じる内容には偏りが見られますので、完璧は無理でも、できるだけ正確な内容や真実を知りたいのであれば(時間やその他コストがかかるかもしれませんが)、ひとつの新聞やひとつのニュース番組だけで情報を得るのは得策とは言えませんね。

偏向報道の実例

脱・記者クラブ宣言

2001年5月15日に、当時の長野県知事だった田中康夫氏が、記者クラブに対する特別優遇の撤廃宣言をしました。
これは、大手マスコミによる情報独占の停止と、記者室の無償提供などによる便宜供与の停止を目的に、県庁にあった「県政記者クラブ」「県政専門紙記者クラブ」「県政記者会」の各クラブが、利用してきた3つの記者室を閉鎖し、誰でも利用できるプレスセンターを設置し、会見を記者クラブではなく県主催で実施するというものでした。
これに対して、各記者クラブは猛反発しましたが、とくに地元の有力紙だった「(松本サリン事件の誤報で有名な)信濃毎日新聞」は、田中知事にたいして執拗に質問をおこない、「記者会見に名を借りた糾弾だ」と抗議し、これ以後一貫して、田中知事の政策を批判する報道をおこないました。

石原都知事発言捏造テロップ事件

2003年11月2日に放映された、TBSの朝の情報番組である「サンデーモーニング」において、石原慎太郎東京都知事の韓国併合に関する発言が、正反対の表現に改変されました。
2003年10月、石原都知事は、東京国際フォーラムで開催された集会での講演で「私は日韓併合を100%正当化するつもりはない。彼らの感情からすれば、そりゃやっぱり忌々しいし、屈辱でもありましょう」と発言しました。
この発言を、サンデーモーニングでは「石原都知事の問題発言」として放送し、石原発言の音声を「私は日韓併合を100%正当化するつもりぁ・・・」と編集をして、最後の部分を聞きとりづらくして「私は日韓併合を100%正当化するつもりだ」と、全く正反対のテロップを付け加えました。
そして、朝鮮総聯からの抗議を伝えたあとVTRが終了し、司会者の関口宏から話をふられたコメンテーターも、このテロップに沿って石原を批判しました。

捏造や不祥事

1968年3月「TBS成田事件」

TBSのテレビ報道部製作のドキュメンタリー番組「カメラ・ルポルタージュ」のディレクター宝官正章が、成田空港建設反対派の農民や活動家を、ゲバ棒に転用可能なプラカードとともに、取材車両で輸送するなどの便宜を図りました。

1985年8月「アフタヌーンショー・やらせリンチ事件」

テレビ朝日の番組「アフタヌーンショー」で暴走族のリンチを特集し、女子中学生5人がリンチされる映像を「激写!中学女番長!セックスリンチ全告白」というテーマで放送しましたが、後にテレビ朝日第一制作局に勤務するディレクターの中川勉による、やらせ・捏造であったことが発覚しました。

中川は撮影時にも現場で指示を出し、暴行を加えた側には、中川から14万円の謝礼が支払われていましたが、リンチを受けた5人は事情を知らされていませんでした。
中川には10万円の略式命令が下りましたが、リンチ被害者の母親が自殺するなどの被害者も出しました。

1989年10月「TBSビデオ問題」

TBSのワイドショー番組「3時にあいましょう」のスタッフが、弁護士・坂本堤のオウム真理教批判インタビュー映像を、放送前にオウム真理教幹部に見せたことが、9日後の11月4日に起きた「坂本堤弁護士一家殺害事件」の発端となったのではないかと指摘されています。

TBSは、オウム真理教の取材映像を放送する予定でしたが、この時に、反オウムの弁護士坂本堤のインタビュー映像が、合わせて放送されることを知ったオウムは、坂本のインタビュービデオを見せるようTBSに要求し、信者の早川紀代秀(坂本弁護士事件実行犯の一人)らが、TBS内でこのビデオを視聴しました。

信者がビデオを見たことが、どれだけ影響を与えたかは正確にはわかりませんが、その後、麻原は坂本堤の殺害を指示し、11月4日に坂本弁護士一家殺害事件が発生しています。

この件は、1995年3月20日に「地下鉄サリン事件」が発生し、オウム真理教の幹部であった早川が逮捕され、取調べを受けた際に「TBSで坂本弁護士のインタビュービデオを見て、その内容を麻原代表に報告した」と供述したことで発覚しました。

そして社内調査を始めたTBSは「坂本のインタビュービデオを見せた事実はなかった」という発表をし、衆議院法務委員会に参考人招致されたTBSの大川常務は「社内の調査では、見せたという事実は出ていないと確信しておる次第でございます。」と述べました。

しかし、それから10日も経たないうちに、新たな事実が発覚し、TBSの磯崎洋三社長は、坂本のインタビュービデオを、オウムの早川たちに見せたことを認める内容の緊急記者会見をおこないました。

さいごに

日常流されている、ほとんどのニュースは、健全なものだと思いますが、その報道の一部には(極々一部だとは思いますが)、このようにおおやけになっている捏造や不祥事が絡んでいることも、また事実ですし、当然ながらおおやけになっていない事例もあるでしょう。

2018年に、イギリスのオックスフォード大学内に設置されているシンクタンク「ロイター・ジャーナリズム研究所」の調査報告書「デジタルニュース・リポート2018」で、日本国内での購読者数2位の「朝日新聞」に対する信頼度が、日本の5大紙の中で最下位の5位となりました(1位は日本経済新聞、4位はTBSと繫がりが深い毎日新聞です)。

1位の日経はおいといて、日本の2大左派新聞が、海外のシンクタンクからも、信頼度が低いとされてるのは「いわゆる従軍慰安婦問題」や「数々の捏造」、論理的とは言えない政権批判、切り取り発言問題などが、奇怪に思われているのかもしれませんね。

民主主義が、少しでも良いように機能するためには、政権与党の暴走や強権に歯止めをかけるために、対抗する勢力が必要になります。
しかし、ほとんどのことに反対し、批判ばかりを繰り広げている、現在の立憲民主党が、それになりえる存在とは、到底思えません。
立憲民主党や左派系メディアには、生産性のない批判ばかりに終始せず、しっかり襟もとをただして、捏造・誇張・揚げ足取りはやめて「権力の監視役」を担っていただきたいものです。
そうすることで、政権与党も権力の座にあぐらをかくことなく、できるだけ健全な国家運営にあたるのではないでしょうか。

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