第二次世界大戦時に、広島と長崎に原爆を落とした時のアメリカ大統領トルーマンは言いました、
「ユダヤ人は票になるが、アラブ人は票にならない。」

誤解してないけないのが、中東問題とは宗教問題ではなく、巨大資本を持っているイギリス・アメリカが石油などの利権欲しさに介入したのが、そもそもの原因です。

中東問題についての発端は他の記事でも書きましたが、イギリスの三枚舌外交です。
三枚舌外交についてはこちらの記事をどうぞ

クルド人問題

ヨーロッパと中東地域を結ぶ広範囲の土地に君臨していたオスマン帝国を、イギリス・フランスなどの連合軍が占領し、サイクス・ピコ協定によって恣意的(気ままで自分勝手)に引かれた国境線により、クルド人はトルコ・イラク・イラン・シリア・アルメニアに分断されてしまいます。
これによって、3000万人のクルド人は国を持たない世界最大の民族となってしまい、迫害の対象となったりもしました。

とくに有名なのが、イラクのサダム・フセインがおこなった迫害です。
イラクの油田地域に多数住んでいたクルド人を、油田開発を推し進めるために、イラク人を移住させて追い出してしまいます。
さらにえげつないのが、イラン・イラク戦争のさなかに、両国の国境付近でイランをクルド人が支援しているとの疑いで、クルド人への取り締まりを強化し、クルド人の民間人に対して大量の化学兵器を使いました。マスタードガスや神経ガスによって5千人が殺害されたと推定されてます。

フセイン政権の崩壊後、クルド人自治区の独立機運は高まったのですが、クルド人を多く抱えているトルコなどの強烈な反対に遭い、いまだに独立には至っていません。

アングロ・イラニアン石油問題

これはイランとイギリスのあいだで争われた石油利権の契約をめぐる問題です。

アングロ・イラニアン石油会社(現在のエネルギー多国籍企業BPの一部)はイギリスによって設立された会社で、イランの石油利権を保有していました。利益の分割に関しては、イギリス85%・イラン15%という「なんじゃそりゃ!」と言いたくなるような、不公平な契約を交わしていました。
さらにこの会社はイラン政府の度重なる要請を無視し、財務報告を提出しなかったのです。もうメチャクチャですね。
このことにイランも怒り、イラン議会(当時のイランは議会制民主主義)は満場一致でアングロ・イラニアン石油会社の国有化を決定したのです。

ここからイギリス&アメリカがとんでもないことを実行します!

アジャックス作戦

この作戦は現在ではCIAも認めている秘密作戦で、イギリスとアメリカが手を組みモサデク政権を転覆させるクーデターを起こし、民主化革命の前の独裁者パーレビ国王を復権させるといったものでした。

そしてこのアジャックス作戦は見事に成功し、イギリスとアメリカは民主的なイランをぶっ壊し、イランの石油利権をアメリカとイギリスで牛耳ることになります。

パーレビ国王独裁政権

欧米諸国をバックにつけて復権したパーレビ国王は、アメリカから大量の兵器を購入し、石油権益のほとんどを流出させました。
急速に西洋化政策を推し進め、反対する人々を秘密警察によって弾圧し、近代化革命の名のもとに、イスラム教勢力も弾圧しました。

この政権は1978年のイラン革命によって倒されてしまいました。その後は法学者のホメイニーが最高指導者となります。

イラン革命後、ホメイニーは欧米諸国に対して不平等条約の撤廃を求めましたが、米国はこれを拒否してイランの在米資産の差押えをおこないます。

イラン・イラク戦争 (1980年~1988年)

民衆のデモから始まり成功におわったイラン革命のような体制打倒運動が波及するのを恐れた、イラク・周辺アラブ諸国・欧米・ソ連などはみんなイラク側につきました。
フセイン率いるイラク軍にアメリカやソ連は武器や弾薬を援助します。敵の敵は味方という理屈ですね。

当時のアメリカ大統領であるレーガンは、イラクを支援するために議会の承認なしに、イラクを「テロ支援国家」のリストから削除しました(1982年)。
(ついこの前までイランと仲良くして、イラクをテロ国家扱いしてたのに、石油利権が絡むとコロコロ変わって恐ろしいですね。)
結局アメリカはこの戦争が終わる1988年までに、フセイン政権に総額297億ドル(4兆円以上)という巨額の兵器供給をおこないました。
(アメリカはそんなフセイン政権もイラク戦争で木っ端みじんにやっつけるんですけどね)

このあとは湾岸戦争・イラク戦争・アラブの春などへつづいていきます。

最後に

あなたは今回の記事はどのようにおもわれましたか?

正直、僕はとりあえず平和な国&時代に生まれて良かったと思いました。
しかし、アメリカさんてメチャクチャなパワプレーで利権を取りにくるから怖いですね。他国の土地にある石油をタダ同然でゲットしようという考え方が恐ろしいです。

戦争に行って死んじゃうのは、石油の利権にありつけてる人なんでしょうか?

それではまた

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