消費増税後のGDPが発表

2020年の2月17日に2019年10月から12月期の国内総生産(GDP)の速報値が発表されました。
この数値は2019年10月から実施された、消費増税の影響を知る意味でも、とても注目度が高かったのですが、発表された速報値は、衝撃のー6.3%(年率換算)でした。
さらに、2020年3月9日に発表された改定値は、ー7.1% (年率換算) と下方修正されたものだったんです。

アメリカのウォールストリートジャーナルは「日本の消費増税は大失敗だった」と社説で酷評し、さらに「安倍総理による、経済政策の失敗のツケを回避するのは手遅れであり、他国の政府も日本の失敗から学ぶべきだ」とも述べています。

なのに、この速報値を受けて安倍総理は「わが国の経済は、基調としては、今後とも内需主導の緩やかな回復が継続していく」と述べたのです。この内容は内閣府がだした2月の月例経済報告に書かれていたものと全く同じ内容でした。
この安倍総理のコメントに対しては、消費増税に賛成の朝日新聞では「さすがにこれはおかしい」といい、安倍政権擁護の産経新聞でも「これは事実とかけ離れている」といっています。

消費増税、過去との比較

4半期別GDPワーストランキング(1994以降、年率換算)

  1位 2009年 1- 3月期 リーマンショック     -17.7%
  2位 2008年10-12月期 リーマンショック     - 9.4%
  3位 2014年 4- 6月期 消費増税5%→8%    - 7.4%
  4位 2019年10-12月期 消費増税8%→10%    - 7.1%
  5位 2011年 1- 3月期 東日本大震災       - 5.5%

上記のとおり、リーマンショックという世界規模の経済ショックを除けば、消費増税がいかに日本全体の経済を停滞・低迷させるものであるかというのは、一目瞭然ですね。
しかも、今回のGDP(4位)を民間消費だけにしぼってみると、-11.0%となり、前回の消費増税時(3位)の民間消費はー17%となっています。
さらに、生活実感により近い指標である名目GDPではー4.9%とでています。この数値はリーマンショックや東日本大震災の時よりも悪く、過去最低の数値です。
過去2回の消費増税時でも名目GDPはほぼ減っていませんでしたし、リーマンショックの時でも名目GDPはー4.7%でした。しかし、今回は消費者の生活実感により近い名目GDPが、-4.9%にガタ落ちしちゃったのです。

つまり今回の消費増税による、一般消費者の生活実感への影響は、過去最低のものとなったのです。
財布のひもがギュウギュウにしめられたのです。

大手メディアと野党

大手メディアが、ニュースやワイドショーで報じてる国会のシーンでは、サ~ク~ラ~♪ サ~ク~ラ~♪ ばっかりでした。最近では、サクラネタにとって代わり、新型コロナウイルスばかりになりましたけどね。

ではなぜテレビのニュースで、この話題をあまりしないのか?というと、テレビ局(大手)は新聞社が母体となっているからです。

  • 読売新聞  → 日テレ
  • 朝日新聞  → テレ朝
  • 毎日新聞  → TBS
  • 産経新聞  → フジテレビ
  • 日本経済新聞→ テレ東

新聞社各社は軽減税率を勝ち取るために、2019年の消費増税には基本的に賛成の立場をとったからです。

国会で野党の答弁が、イマイチ弱く説得力に欠けるのは、2014年の消費増税5%→8%(その後、景気動向をみて8%→10%)を決めたのは、民主党政権時代だったためです。
2011年11月3日、民主党の野田総理大臣(当時)はカンヌで開催されたG20(先進国と新興国をあわせた20か国による首脳会議)で「2010年代半ばまでに、段階的に消費税率を10%まで引き上げる」と明言し、引き上げ時期などを定めた消費増税法案を「2011年度内に提出する」と表明しました。

そして、2012年3月30日、民主党の野田政権は当時5%の消費税率を2014年4月に8%、2015年10月に10%に引き上げる消費増税関連法案を閣議決定しました。

安倍総理のついた嘘

ちょっと下品なタイトルつけてしまいすいません。

今回のGDP発表を受け、安倍総理が国会で述べたところによると、「消費税率引き上げにともなう一定程度の反動減に加え、台風や暖冬などの影響を受けたことからマイナスに転じた」らしいです。

  • ウソその①「一定程度の反動減」
    反動減とは、増税前にかけ込み需要があった場合、増税後に消費が落ち込むことをさしますが、増税前のGDP(2019年7-9月期)は+0.5%となっていて、かけ込み需要が無かったことをあらわしています。かけ込み需要が無かったのですから、反動で落ち込むなんてありえませんよね。純粋に消費増税で落ちただけです。
  • ウソその②「台風」
    たしかに台風で関東・東北地方は影響を受けましたが、その他の地域の景気動向指数も落ち込みました。その説明がされておらず、野党の議員さんに突っ込まれてました。
  • ウソその③「暖冬」
    気象庁の定義で、冬って12月~2月ですよ。いきなり旧暦(旧暦で冬は10-12月)の設定で話してくるなんてびっくりです。

とはいったものの、国会の答弁なんて総理が自分で考えてるわけではないでしょうけどね。この記事の最初の方に書いた、安倍総理のコメント 「わが国の経済は、基調としては、今後とも内需主導の緩やかな回復が継続していく」 なんて、総理の希望をかなえたポエムみたいなもんですよ。
内閣府幹部のコメントが朝日新聞の記事にありました。「消費増税のせいで、景気が悪くなったとは口が裂けても言えない」と。内閣府は先ほどの、安倍総理のポエムみたいな文章をだした行政機関です。

最後に、今後の展望と希望

令和恐慌へ

前回、2014年の消費増税のときは、GDP4ー6月期-7.4%でしたが、直後の7-9月期では+0.3と一応は下げ止めできたのですが、今回(次回の四半期GDPは1-3月期)は、新型コロナウイルスの影響をモロに受けてしまいます。
大型テーマパークの休業・旅行の制限・各イベントの取りやめ・選抜高校野球の中止・グループでの活動の自粛など、消費の冷え込みはとんでもないことになっています。

さらに新型コロナウイルスが終息しなければ、東京オリンピックもどうなるか不明です。中止なんてことになれば、戦後最大の大不況となるでしょう。

消費税を引き下げる

日本はヨーロッパと比較して消費税率が低い!北欧なんて消費税率25%だぞ!とか消費増税議論などで必ず言われますよね。
たしかに、ヨーロッパの国々と比較して、日本の消費税率は低いと言えます。でもこれって少しカラクリがあるんです。国税収入のなかで消費税の占める割合が語られてないのです。
下のグラフを一緒にみてみましょう。

ようするに、消費税に頼りすぎなんです。しかも消費税って低所得者ほど負担が大きくなる税金なんです。
これがよく言われる、逆進性の問題です。
超カンタンに説明します。

  • 年収200万円の場合
    食料費を年間50万円だとすると、年収に占める割合は25%となります。
  • 年収1000万円の場合
    食料費を年間50万円だとすると、年収に占める割合は5%となります。
    食料費を年収200万円のひとの倍にして、
    食料費を年間100万円としても、年収に占める割合は10%です。

つまり消費増税によって、食料品が値上がりしていくと、低所得者のほうが大きな負担を強いられることとなってしまいます。これが逆進性です。

まとめ

2019年10月からの消費増税が失敗だったことはわかってもらえたでしょうか。プライマリーバランス(税収と支出の割合)をみても、消費増税が好影響を与えたことなんかありません。過去のプライマリーバランスをみても回復してる時期は、GDPが伸びていってるときです。

僕はべつに安倍総理が悪いとか自民党が悪いとか思ってません。はっきり言って、どの党、どの政治家がやっても大差がないと思っています。
なぜなら民主党政権(2009年から2012年)は当初、消費税の議論すらしない!と言っていたのに、消費増税の法案を通しました。高速道路を無料化すると言っていたのも途中で消えました。
これに対しても、ぼくは民主党が悪いなんて思っていません。

僕は現在の日本の政治体制では、このような問題は官僚が悪いと思っています。国会の答弁を書くのも官僚ですし(質疑応答中は、よく大臣に耳打ちしています)、法案作るのも官僚です(本来は議員の仕事ですが、他の法律とのバランスや、影響などを考えたりできるほどの専門知識はないでしょう)。

そんなわけない!政治家がコントロールすればいける!

なんてことは理想論すぎると思います。あれだけ野党時代に、国民に対して聞こえの良いマニュフェストを掲げて政権奪取した民主党も、最初の方は「この国をかえてやるんだ!」と意気込んでたはずです。しかし、そんなものはすぐに骨抜きにされてしまうほど、官僚は圧倒的なのではないでしょうか?

じゃあどうすれば、本当に変えれるのか!やり方は2つあると思います。(両方現実無視です)

①憲法改正し、議院内閣制をやめて大統領制にする!
大阪の少し前の知事、橋下さんのように強権を振るえるようになるからです。大統領権限の強いアメリカなんか意に沿わない事務方はバッタバッタとクビにされてしまいます。
世界をみても、独裁国家のほうがトップの意見がスムーズ(強引?)に実行されます。

②官僚の給与体系を変える
例えば「GDPの成長がこれだけ達成されたらいくら」とか「プライマリーバランスをゼロにできたらいくら」とかにすれば、日本最高峰の頭脳集団が真剣にやってくれるのではないでしょうか?
せめて、各省庁ごとに明確な数字のノルマぐらいは必要ではないでしょうか?

まあ、こんなこと書くと無責任と思われるかもしれませんが、個人のブログですのでご容赦ください。

とりあえず、選挙があれば投票だけは行ってきます。

読んでくれてありがとうございました。

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