朝鮮系信用組合の破綻

かつての日本には「在日本朝鮮信用組合協会(朝信協)」という、事実上は朝鮮総連傘下の金融機関が存在していました。
この協会には、都道府県単位で設立された信用組合(大阪の場合なら朝銀大阪信用組合)が所属し、日本の銀行からの融資を受けづらかった在日朝鮮人の事業を支え、朝鮮人が日本企業への就職が困難だった時代に朝鮮学校卒業生の有力な就職先のひとつとなっていました。

しかし、バブル崩壊後は経営破綻が相次いだため、かつては38組合あった朝銀も16組合が破綻し、現在では全国7組合に再編されています。

日本の朝鮮系信用組合が破綻した主な原因は、預金の北朝鮮への送金、朝鮮総連の政治工作資金としての流用、バブル崩壊の3点が指摘されています。
金融機関が破綻した場合、預金保険法によって定められた機関から選任された弁護士や預金保険機構が、金融整理管財人として破綻原因の調査をおこない、結果が金融庁に報告されることになります。

杜撰な経営と朝鮮総連

2001年12月に経営破綻した、朝銀近畿信用組合(本店は神戸市)の場合では、管財人は破綻要因を「合併前の一部組合が不動産関連を中心に与信限度額を大幅に超えた融資をしていたため」と述べています。

こうした与信限度額を大幅に超える融資や、仮名口座や架空口座への無担保融資、組合幹部による不正流用は、全国の破綻した朝鮮系信用組合への調査で、次から次へと明らかとなっていきました。
また、そうした調査のなかで、連鎖破綻が起こる以前から一部で問題視されていた「朝鮮総連」による、北朝鮮への送金が多額にあったことが判明していくことになります。

朝鮮総連とは「在日本朝鮮人総連合会」の略で、北朝鮮を支持する在日朝鮮人で構成されている団体ですが、日本人拉致への関与が数件で明らかになっていますし、北朝鮮からのスパイが「ハニートラップ」などを用いた情報収集活動を日本でおこなう際に、支援していたことも逮捕者の証言によって明らかとなっています。

ジャーナリストであり、2016年まで早稲田大学国際教養学部教授を務めた重村智計氏からは「朝銀信組は朝鮮総連の財政基盤を支える資金調達機関へと変質した」と指摘されていますし、こうした朝鮮総連の指揮による不正融資は北朝鮮へ不正送金され、核開発や対日弾道弾調達の資金源に流用され、一部は政治献金として日本の政治家にばら撒かれたとの主張もされています。

公的資金の投入

破綻していった朝鮮系信用組合は、あくまでも日本の金融機関であり、付保預金として預金保険に加入していましたので、預金保護を目的とした公的資金の投入をしない選択肢は難しかったのですが、破綻した信組の受け皿となる信組が、北朝鮮と結びついているのではないかという声が広がり、投入した公的資金が北朝鮮へ不正に送金される懸念が生じます。

こうした懸念を払拭するため、保守派ジャーナリストの櫻井よしこや小池百合子衆議院議員(現都知事)、前原誠司衆議院議員(現国民民主党)らが中心となって、問題点を指摘し、声をあげたため、金融庁は受け皿信組の認可に際して、朝鮮総連の関係者を経営陣から排除するよう指導・確約を取り、実際に一部の朝銀では日本人役員が登用されることになります。

しかしそれでも、朝鮮総連と関係している人物が経営陣にいることには変わりなかったため、一部のジャーナリストや国会議員から、引き続き公的資金の投入への批判がされますが、自民党の野中広務や社民党の国会議員などの親北朝鮮議員を中心に「朝鮮総連への不当弾圧だ」という声があがり、結局は自民党で官房長官まで務めた大物議員野中広務による鶴の一声で、公的資金の投入は続行されていきます。

このようにして朝鮮系信用組合へ投入された公的資金(税金)の額は、1998年から2002年までで、1兆4千億円以上にのぼるのですが、公的資金が投入されながら、受け皿となった組合がさらに破綻するという2次破綻を起こした例もあったため、公的資金投入の杜撰さが問題視されることにもなりました。

ちなみにですが、朝鮮系信用組合にルーツがあり、現存している信用組合は「ウリ信用組合」「イオ信用組合」「朝銀西信用組合」であり、破綻した受け皿として新たに設立された組合で、日本人役員を受け入れたのは「ミレ信用組合」「ハナ信用組合」「京滋信用組合」「兵庫ひまわり信用組合」です。

朝鮮総連中央本部ビルの売却問題

そして朝鮮系信用組合の不良債権を、整理回収機構(RCC)が2900億円で買い、不良債権のうち個人と団体向けの394件、総額628億円が実質的には、朝鮮総連への貸付だったことが東京地裁により認定されることになります。

2005年には、整理回収機構が朝鮮総連を提訴し、和解案も示されましたが、なかなか折り合いがつかないまま和解交渉は決裂し、2007年6月18日に東京地裁は、朝鮮総連に対する資産差し押さえの仮執行つきの返済命令を宣言することになります。

この決定に控訴をしなかった朝鮮総連は、東京地裁がこうした命令を下すことを予想していたため、命令が出される直前の6月1日付けで、元公安調査庁長官の緒方重威が代表取締役を務める「ハーベスト投資顧問株式会社(本部ビル移転手続きの2ヶ月前の4月19日に設立)」に、朝鮮総連関係施設内で最も資産価値の高い「朝鮮総連中央本部ビル」を売却するという工作をしていたのです。

この売却手続きと所有権の移転登記の実務は、元日弁連会長の土屋公献(北朝鮮による日本人拉致事件では日本人拉致被害者の家族を非難したり、慰安婦を「性的奴隷(Sex Slaves)」 と定義して、国連から日本政府に対し補償を実行することを働きかけるよう運動した人物)が担当しておこなわれました。

しかしこの売却手続きは、朝鮮総連中央本部ビルをめぐる詐欺事件へ発展することになり、元公安調査庁長官の緒方重威や、自民党の元議員三塚博の元秘書で、住専の大口借り手でもあった満井忠男らが逮捕されることになり、所有権の登記移転も抹消されることになります。

ただし「在日本朝鮮人総連合会」は、任意団体であるため土地や建物の所有権を登記できず、登記上の所有者は別の合資会社名義となっていました。
そのため実質的な所有権が朝鮮総連にあることを確認する裁判が続き、最高裁で朝鮮総連敗訴の判決が確定したのは2012年6月になってからで、これを受けて翌7月に競売手続きが東京地裁で始まることになったのです。

その後におこなわれた入札では、鹿児島市の宗教法人「最福寺」が45億1900万円という最高額を提示したのですが、池口恵観法主は「資金を調達できなかった」として購入を断念し、再入札がおこなわれモンゴルの企業が最高額を提示しますが、書類が公的機関発行のものでなかったため、東京地裁からは売却不許可の決定が下されます。
そして2014年3月24日に、22億1千万円を提示した高松市の不動産投資会社「マルナカホールディングス」に売却の許可が下り、マルナカホールディングスの代理人は、記者会見で「建物の明け渡しを求める」と明言したのです。

しかし、マルナカホールディングスは、当初、北朝鮮関連団体には転売しない、賃貸しないと公言していたのですが、水面下では朝鮮総連と接触していたことが発覚することになります。
そして2015年の1月には、山形県の企業「グリーンフォーリスト」に、朝鮮総連ビルを44億円で転売したのですが、グリーンフォーリストは従業員数人の小さな企業であり、44億円という巨額の資金源について疑問視され始めます。

結局は、朝鮮総連の関連施設である「朝鮮出版会館」の管理会社「白山出版会館管理会」が44億円を出したということがわかり、登記上の所有者がグリーンフォーリストになっただけで、実質的には朝鮮総連がビルを取り戻したということになり、グリーンフォーリストは、テナント入居として朝鮮総連が、そのままビルを使用することを認めています。

つまり、この件で朝鮮総連は、ダミー業者を使って627億円もあった不良債権を、関連団体を活用することで44億円の負担に減らしたということになり、マルナカHDからグリーンフォーリストへの不動産仲介をおこなった山内俊夫元文部科学副大臣も、当初から朝鮮総連が退去逃れをするための転売であったということを明らかにしています。

さらに仲介をした山内は「朝鮮総連が継続使用できれば、日朝関係が進展して国益にもかなうとの思いからだ。朝鮮総連の意向を直接受けたわけではない」と説明しましたが、朝鮮総連の議長とは国会議員時代から知り合いであり、最福寺の池口恵観とも繋がっていることが判明しています。

おすすめの記事