簡単な説明

メキシコとは、どんな国なのか?

中南米に位置する国で、面積は日本の約5倍で、人口は約1億3千万人。季節は雨季と乾季があり、陽気でフレンドリーな人々が多いといわれています。

一方で、メキシコは、麻薬カルテルがとてつもなく、幅を利かせている国でもあります。
麻薬カルテル同士の抗争では、多数の死者がでるのは、ある程度、しかたないのかもしれませんが、麻薬カルテルを批判した政治家や市民なども、両手・両足を切り取られたり、腹を裂かれて内臓を出されたりというふうに処刑されています。

日本人の感覚では、少し考えにくいのですが、メキシコの麻薬カルテルは、完全に武装しています。
拳銃や自動小銃などは、どのカルテルでも当たり前ですが、上位のカルテルになると、アメリカ軍の特殊部隊で採用されている、戦闘用防弾チョッキに身を包み、ヘリコプター、機関銃、対空ミサイル、装甲車、半潜水艇なども保有しています。

そして、メキシコの麻薬カルテルには、メキシコ軍特殊部隊の元隊員などがいます。
この元隊員たちは、アメリカやイスラエルで戦闘訓練を受け、アメリカ陸軍米州学校において、尋問や不正規戦について学んでいます。

さらに、一般警察官の買収はもちろんですが、一部の警察幹部は、麻薬カルテルの幹部メンバーになっていますし、裁判官や政治家なども買収されています。
これは、麻薬カルテルの要求に「ノー」と言うと、残虐な方法で処刑され、その動画や画像はネット上にアップされますし、そのような犯罪行為を、取り締まってくれるはずの警察組織は、完全に腐敗していますので、仕方がないのかもしれません。
メディアにたいしては、批判したレポーターを誘拐・殺害したり、テレビ局を爆破したりしています。

人口10万人あたりの殺人発生件数の統計でみてみると、上位には中南米の国家がずらっと並びます。
これにたいして、ノーベル文学賞を受けたメキシコの詩人は「過去にスペインの侵略を受け、先住民は虐殺され、女の先住民は犯され、隷属させられ『メキシコ人』を名乗らざるをえなかった運命から来ている。自分たちのアイデンティティーは『犯された女の子供たち』であり、恨む相手も敵も自分たちの中にいる。
メキシコ人は、死としばしば出合い、死をチャカし、かわいがり、死と一緒に眠り、そして祀る。それは彼らが大好きな玩具の一つである。」と語っています。

代表的なカルテル

シナロア・カルテル

メキシコ国内最大の犯罪組織です。本拠地のシナロア州やソノラ州、バハ・カリフォルニア州に、活動拠点を広げていっています。

首領のホアキン・グスマンは、フォーブズ・マガジンによって、10億ドル(約1千億円)の資本を有していると見積もられ、世界で701番目の富豪であるとされています。
2015年にグスマンは、シカゴ犯罪委員会より「公衆の敵ナンバーワン」に指名されました。
そして、メキシコの刑務所から2度の脱獄をへて、アメリカで逮捕され、2019年7月17日に連邦地裁は、グスマンにたいし、仮釈放なしの終身刑を言い渡すとともに、罰金126億ドル(約1兆2600億円)の支払いを命じました。
現在は、ADXフローレンス刑務所にて収監されています。

ガルフ・カルテル

現存するカルテルとしては、メキシコ最古の犯罪組織であるとされています。
アメリカ合衆国の禁酒時代に、アルコールの密造を始めたのが組織の起源です。
1970年代に、フアン・ガルシーア・アブレゴ指揮下で、コカインの密造を始め、現在の麻薬カルテルへと移行していきました。

ロス・セタス

アメリカ政府には「メキシコで最も危険な麻薬カルテルである」とされています。

ガルフ・カルテルに所属していた、元メキシコ陸軍特殊部隊隊長のアルトゥーロ・グスマン・デセナ大尉が、元同僚や部下の隊員30人を高給で雇い入れ、ガルフ・カルテルの傭兵部隊として結成したことが起源です。
2003年にシナロア・カルテルとの抗争に参加し、千人以上の死者が出る壮絶な抗争をおこない、シナロア側を交渉に追い込みガルフ・カルテルの存続を助けました。

その後、2010年2月にガルフ・カルテルから分離独立しています。

初期の構成員は、エリート兵士で構成されていて、グアテマラの特殊部隊である「カイビレス」の元隊員や、アメリカ、イスラエル、コロンビアの傭兵を雇用しています。
また、高給優遇を謳って広告で集めた軍人や警察官、カルテルの元メンバーや、路上の青少年といった者達を、セタスが独自に設立した、特殊部隊式の基地で軍事訓練し、腕利きの殺し屋達を育てていきました。

正義感のある警察官や軍人、敵対組織の売人、麻薬組織を批判した弁護士、麻薬栽培を拒否した農民などを、拉致・拷問・殺害・解体し、遺体に「Z」の文字を刻印し、路上に放置するなどした残虐性が特徴です。

フアレス・カルテル

毎年、メキシコからアメリカへと渡っている、何億ドルもの価値のある違法麻薬の、主要密輸ルートの1つを支配しています。
元警官および、現職警官で構成されていて、市街戦の技能を持った「ラ・リネア」と呼ばれる武装ギャングを有しています。

メキシコ麻薬戦争終結?

2006年以降、メキシコの麻薬戦争による死者数は、約23万5000人で、行方不明者も4万人にのぼります。

2018年のメキシコ大統領選挙で勝利し、2018年12月1日に大統領に就任したロペス・オブラドールは、前任者がとっていた強硬路線から大きく方針転換しました。
マリファナ(大麻)の栽培・販売・使用をほぼ全面的に解禁し、個人にも年間20本の大麻の栽培と、17オンス(約1440本分)のマリファナの生産を許し、禁煙ゾーンを除き公共の場所での使用まで認めました。

そしてロペス・オブラドールは「麻薬戦争は終わった。我々は平和を望んでおり、それを実現しようとしている」と述べ、麻薬戦争の終結を宣言しました。

以上で今回の記事はおしまいです。
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。

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