ニュース番組(報道番組)と、ワイドショー番組(情報番組)の違いについて解説していきます。

そもそも制作担当が違います

ニュース番組は報道局によって製作され、ワイドショーは情報局によって制作されています。

最近のワイドショーは、司会者に知名度の高いアナウンサーを起用し、芸能ネタばかりに固執せず、政治ネタや不祥事ネタなどを、専門家や芸人さんなどを交えて解説や討論をさせ、事象の説明には視聴者にもわかりやすいように巨大パネルなどを用いて、放送しているのが特徴です。
しかし、一言に専門家と言っても、色々な考え方をする人がいますし、自分の立場や信念、あるいは所属する組織にたいしての利害関係などから、意見も違ってきてしまいます。

極端な例を挙げれば、放射線漏れが起こった際にも「放射線」や「原発」の専門家のあいだでは「ごく少量の放射線でも有害だ」という意見と「世界の大国が、核実験をやりまくっていた冷戦時は、もっと酷かったのだから、少量の放射線は有害ではない」といったように意見が対立していました。

最近では朝のワイドショーで、感染症の専門家が「このままでは日本は、2週間後にニューヨークのようになる」とか、療養施設のホテルにたいしては、日中に医者がいるにも関わらず「療養なんですね、医療ではないので、お医者さんがいるわけでもないので」と少し調べればわかりそうなことでも、専門家という立場から適当なことを言ってしまっています。

このような例は、大なり小なり多くの事柄にみられますし、エンターテインメント性の高いワイドショーなどでは、世論受けしそうな意見の方に振れている専門家を起用し、ある専門家の個人的見解にも関わらず、それが正解であるかのような報じ方を徹底的におこない、もしそれが間違っていても十数秒ぐらいの謝罪で済ませます。

ようするにワイドショーは「起こった事象にたいして、おもしろおかしく着色したショー番組」という認識ぐらいで楽しんだほうがいいでしょう。

ニュース番組とは?

ニュース番組を制作する報道局には、自分たちが取材した情報をもとに報道するという原則が一応はあります。

そしてニュース番組は、5分程度の短いものと、夜に1時間ぐらいかけて放送するものとの2種類があり、短い方では、局のアナウンサーが淡々と今起きたばかりの事件やニュースを伝え、夜の長い方では、基本的にはアナウンサーが司会をして進行していきますが、解説する人が1人から数人いて、事象について掘り下げていきます。

こうして見てみると、短いニュース番組以外はあまり違わないのでは?という疑問が生まれます。
これはその通りで、エンターテインメント性(視聴者うけ)を求めていく中で、お互いが似通っていってしまっているという批判がよくされています。
とくに民放のニュース番組で視聴率トップの「報道ステーション」は「自分たちが報道番組の牽引役だ」という自負があるようですが、数年前にはデタラメな経歴詐称をしていた解説者を重宝していましたし、メインキャスターが意見を言い過ぎるなどの批判がよくされています。

BPOって機能してるの?

日本放送協会と日本民間放送連盟が、自主的に設置する第三者機関である「放送倫理番組向上機構(BPO)」では「ニュースは市民の知る権利へ奉仕するものであり、事実に基づいて報道し、公正でなければならない」とか「取材・編集にあたっては、一方に偏るなど、視聴者に誤解を与えないように注意する」というように放送基準を定めています。

このように、報道局が制作するニュース番組では、偏った内容の報道や、事実の裏取りがない報道は、BPO違反にあたるのですが、あくまでも(視聴者がどう思うかはともかく)ニュース番組ではない情報番組では、BPO違反にあたらないという逃げ口上が存在しています。
つまりワイドショーなどの情報番組では、報道番組ではないというのを盾に、ある程度の偏りや、視聴者誘導しかねない編集などへの自主規制が甘くなっていて、これが数字を取れることから、夜のニュース番組がこういった要素を取り入れていっているのが現状です。

こうした「視聴者が勝手に誤解しているだけ」というテレビ局側の都合は、他にもみられます。
BPOが定めている「表現上の配慮」のなかでは「占い、運勢判断およびこれに類するものは、断定したり、無理に信じさせたりするような取り扱いはしない」というものがあるのですが、血液型や星座にによる占いは毎日放送され、最近は減りましたが、スピリチュアルな番組もたくさん放送していました。
これにたいするテレビ局の言い分は「ああいった内容のものを信じる人は少ないだろうし、娯楽として提供している」といったものでしたが、そもそも信じる人が少ないのであれば、放送する意義も少ないと思うのですが、どうなんでしょうね。

誤解報道の責任は視聴者?

先日(2020年5月)、加藤厚労大臣による「誤解発言問題」がありました。
これは、新型コロナウイルス感染症の相談・受診の目安に関して、それまでは「37.5度以上の発熱が4日以上」としていたものを、これらの表記を削除し、新指針を公表した際、加藤大臣が旧目安を「我々から見れば誤解」「目安は検査機関に対するものではまったくない」と述べましたが、マスコミからは「国民に正しく伝わっていないなら誤解ではない」などの批判が多くあがりました。

しかし、この時の議事録をしっかり読めば、加藤大臣も「37.5度以上でないと受診してはいけないわけではない、基準ではない」と何度も言っています。
こうした意見にたいして、あるテレビ局の記者は情報番組内で「国民は議事録なんて読みませんから」と言っていましたが、しっかり議事録を読んで、正確な内容を放送するのはマスコミの仕事だと思うのですが?
そもそも私たち国民の大半は、報道番組内や情報番組内での「切り取られた発言」しか見ていないわけです。
それなのに、情報ソースを誤解して報道した張本人が、責任転嫁をしているようでは、普段あれだけ他人に厳しいわりには・・・情けない限りですね。

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