核拡散防止条約とは、5大常任理事国以外の、核保有は認めませんという条約です。
核兵器不拡散条約の2大要項について
①核不拡散
アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国の5か国を「核兵器国」と定め、「核兵器国」以外への核兵器の拡散を防止。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kaku/npt/gaiyo.html
もちろん、核兵器を世界中の国家が保有するのがいいとは、思っていません。しかし、なぜこの5大国以外が保有できないのか、という疑問は残ります。どう考えても、不平等条約でしょう。
現在、5大国以外の核兵器保有国は、イスラエル、インド、パキスタン、北朝鮮です。
イスラエルの核保有には、アメリカやイギリスは寛容であり「暗黙の了解」としています。
イラクはフセイン政権時代に、国連による査察にたいして非協力的だとされ、結果はアメリカを中心とした多国籍軍に攻め込まれました。
これについて、私が思うのは、
- 中東地域は、イスラエルを敵対視している国家が多く、いつ戦争が勃発してもおかしくない地域です。そのなかで、イスラエルだけが核保有しているのは、他の国家にとっては脅威となっている。
現在の、強国を存在させることによって、周辺国に逆らわせないようにし、戦争をおこさせないようにしている方法は、銃口を突きつけて、服従させているようなものだと感じます。 - 当時のフセイン政権時代のイラクは、シリアやイランと緊張関係にありました。そんな状況で、自国の軍事の最高機密を、国連に渡して発表させるわけには、いかないのではないでしょうか。
しかも、イスラエルにも情報が洩れてしまいます。しかも、アメリカの大義名分だった、大量破壊兵器はありませんでした。 - リビアのカダフィ大佐は、2003年に核兵器を放棄し、世界から称賛されてましたが、2011年のリビア内戦の時には、アメリカ軍とNATO軍に滅ばれました。
北朝鮮は、それを理解してるので、核兵器の放棄はしないでしょう。
少し乱暴な書き方をしますが、イラクのフセインや、リビアのカダフィは、確かに独裁過ぎたかもしれませんが、アメリカや多国籍軍が軍事介入する前のほうが、治安がよかったのは間違いないでしょう。
現在の、中東地域でイスラエルが周辺国に、銃口を突きつけることで平和を維持することが許されるならば、フセインやカダフィが、銃口で国内を治めて、治安を維持してたのは、なぜいけないのでしょうか。
結局は、潜在的に敵国になりそうな国家は、核を保有してないうちに、やってしまえ!というふうに見えてしまいます。
②核軍縮
各締約国による誠実に核軍縮交渉を行う義務を規定
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kaku/npt/gaiyo.html
この核兵器不拡散条約には、世界のほとんどの国家が加盟しています。現在2020年3月の時点で、191ヵ国が加盟しています。
5大国以外の核保有国である、イスラエル、インド、パキスタン、北朝鮮は加盟していません。
つまり、この条約の加盟国で、核保有しているのは、5大国だけですので、核軍縮を本気でしたいのであれば、いつでもできるはずです。
確かに冷戦時をピークに、核弾頭数は徐々に減らしてはいますが、どこまで信用していいのかは不明です。
それは格段に性能が上がっていってますので、核弾頭数の発表だけされても、判断しかねます。
アメリカやロシアは、6000基以上保有し、イギリス・フランス・中国は、200から300基を保有しています。
この数字を見ると、5大国で話し合う必要すらなく、アメリカとロシアで話し合ってもらえれば、核軍縮については実効できると思うのですが・・・どうなんでしょうね。
オバマはプラハ演説で「核兵器を使用したことがある、唯一の核保有国として、行動する道義的責任があるとして、米国が先頭に立ち、核兵器のない世界の平和と安全を追求する」決意表明し、ノーベル平和賞を受賞していましたが、もう大統領じゃないので権限もないでしょう。
まとめ
もうみなさんも、ご存じのとおりですが、第二次世界大戦の主要戦勝国が、現在の世界の秩序を決めてるってことですね。
私は、それは致し方ないことだと思っています。
日本は、第一次世界大戦では連合国側で参戦し、国際連盟では高い地位を得ましたが、その後、さらに拡大路線をとったことで、国際的な非難にされ(いちゃもんだと思いますが)、追い詰められていき、第二次世界大戦では、とんでもない目にあわされましたからね。
先日、テレビでどっかの大学教授が「国連の専門機関のトップを中国が占めていっている。日本は国連の拠出金が中国に次いで、世界で2番目に高いのに、常任理事国にもなれなければ、専門機関のトップもいないのは、おかしい!」と、熱く語ってましたが、私は仕方ないと思いました。
ちなみに、国連の拠出金をアメリカは払ってませんし、ほんの数年前までは、日本の負担額が世界一でした。
日本は、現在のような生活を続けていきたいのであれば、アメリカだけは絶対に怒らせないことだと思います。これは納得できる、できないの話ではないと思います。
第二次世界大戦前に、日本がうけた理不尽さ(もちろん大日本帝国も無茶苦茶だったと思ってます)や、第二次世界大戦後に、中東で起こったことなど(パレスチナ問題や石油利権問題)を知れば、あの国に楯突いたら、本当にやられます。しかも、理由は正当化されます。戦勝国が正当化された歴史になりますので「正しさ」はあまり意味をなしません。
最後に、
現在の世界は、アメリカと中国が覇権を争っています。どっちか選ぶなら、迷わず「アメリカ」でしょ!