2020年、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が世界中に広がりをみせています。
まずは簡単に、新型コロナウイルスについて説明しますね。

新型コロナウイルスとは

中国の武漢市で2019年11月に発生が確認され、その年の12月31日に国連の専門機関である世界保健機関(WHO)に報告がなされた、新型のウイルスです。

そもそもコロナウイルスって何?

コロナウイルスと呼ばれてる理由は、ウイルスの表面の膜構造が花弁状の長い突起になっていて、その見た目が太陽の光冠であるコロナに似ていたために、そう名づけられました。
そしてこのウイルスは、哺乳類や鳥類に病気をひき起こします

コロナウイルスというのは、数多くあるウイルスのひとつで、主に発熱や呼吸器症状を人体にひき起こします。
ヒトに感染することが確認されているコロナウイルスは、新型を含めて全部で7種類あります。

有名なのは、SARSコロナウイルス(SARS-CoV、2003年に発見され流行)とMERSコロナウイルス(MERS-CoV、2012年に発見され2015年に流行)ですね。
この2種類(SARS・MERS)は、もともとは動物に感染していたコロナウイルスが変異をして、ヒトに感染するようになったものです。
新型コロナウイルスを除いた他の4種類のコロナウイルスは、珍しいものではなく風邪をひき起こしているウイルスです(風邪の10~15%は、これら4種が原因だと言われています)。

新型コロナウイルス発生から感染拡大した経緯

中国の武漢市で発生したコロナウイルスですが、発見した当初の初期対応にひどいもんがありました。
中国当局では、この未知のウイルス(当初は何か不明だったため)がヒトからヒトに感染することをわかっていたのに、新型ウイルスに感染した動物に接触した人にのみ感染するという内容で各医療機関に通達したのです。

2019年12月30日、武漢市の李医師が チャットグループに入っている複数の医師たちに「アウトブレイク(大流行) が起こっている」という警告メッセージを送信します (この時、李医師はこの病気がまったく新しいウイルスによるものだとは知らなかった)。
その4日後に警察が李医師のもとにやってきて口止めをおこないました。
2020年1月末、その口止めをおこなったときの書面を李医師は、中国のSNS微博(ウェイボ)にて公開し、なにがあったのかを説明したのです。そして地元当局者が李医師に謝罪をする事態となりました。

この約1か月間、中国当局が情報を隠したことが感染拡大を招いた大きな原因です。

中国人観光客・中国人ビジネスマン・武漢市を含む湖北省に出入りしていた人々の一部であろう新型コロナウイルス感染者が世界中に散らばっていったのです。
世界の観光地や豪華クルーズ船で、感染が拡大していったのはこのためです。

新型コロナウイルスの検査ってどうするの?

現状では、新型コロナウイルスの検査方法はPCR法による検査の一択です。

PCR法とは、専用の機械を使ってウイルスのDNAを大量に増幅させていく方法です。ごく微量のDNAでも検出ができますので、病原体の検出検査ではよく使われています。

問題なのが現在の手法では、検査の結果がでるまでに4~6時間かかってしまうということです。
しかし、理研(理化学研究所)と神奈川県衛生研究所が、10分から30分で検査可能とする「スマートアンプ法」を開発しました。

スマートアンプ法とは、血液一滴からDNAを特異的に増幅させて検出する方法です。

PCR法では、新型コロナウイルスを検出するために、加熱と冷却を繰り返す必要があり、どうしても時間がかかってしまいますが、スマートアンプ法では、一定の温度で、より単純な工程で検査をおこないますので、大きな時間短縮となります。
神奈川県の黒岩知事もスマートアンプ法について「幅広く使ってもらえるよう、国に特段の配慮を求めたい」と述べています。

産総研( 産業技術総合研究所 )と杏林製薬の研究チームも、従来のPCR法を進化させて、15分程度で診断できる装置「マイクロ流路型遺伝子定量装置」を開発しました。
産総研を所管する経済産業省では、厚生労働省と連携して、現状のウイルス検査と同じ精度があるかなどを確認したうえで、早期の実用化を目指すとしています。

新型コロナウイルスに対する世界の対応

新型コロナウイルス国別累積感染者数 (2020.3.12の時点)

中国    80,793人
イタリア  12,462人
イラン    9,000人
韓国     7,869人
フランス   2,281人
スペイン   2,128人
ドイツ    1,567人
アメリカ   1,102人
日本       620人
スイス      612人
オランダ     503人
イギリス     456人

新型コロナウイルス感染者確認国・地域から入国・入域制限がおこなわれている国と地域 (2020.3.12の時点)

イスラエル
外国からの全渡航者(イスラエル居住者を除く)について、イスラエル保健省の指示に適合した自宅待機の証明ができる場合のみ入国を許可

イラク
日本,中国,イラン,タイ,韓国,イタリア,シンガポール,バーレーン,クウェート,フランス及びスペインからの,直接又は第三国を経由した外国人のイラク入国を当面の間禁止。

インド
インド入国前の全ての外国籍者に対して発給されてきた査証は,3月13日から4月15日の間,効力停止となる(外交・公用査証,国際機関への査証,就労査証,プロジェクト査証以外)。なお,やむを得ない理由でインドへの渡航が必要な者については,最寄りのインド大使館・総領事館で新規の査証の申請を行う必要がある。また,2月27日以降,日本及び韓国国籍者への到着査証サービスは停止する。加えて,シッキム州については3月5日から,アルナチャル・プラデシュ州については3月6日から,それぞれ外国人への入域許可証の発給が停止となる。

ガーナ
3月4日から,在京ガーナ大使館において,ガーナ入国査証申請のうち,必須でない渡航者への査証関連事務を当面の間停止する。

韓国
3月9日から,日本に対する査証免除措置と既に発給された査証の効力を停止する。

クウェート
日本,中国,香港,イラン,イラク,韓国,タイ,イタリア,シンガポールからの渡航者及び14日以内に渡航歴のある者は入国禁止。

サウジアラビア
観光査証等での入国が禁止されている。ただし,過去14日以内に中国,イラン,UAE,クウェート,バーレーン,レバノン,シリア,韓国,エジプト,イタリア,イラク,フランス,ドイツ,スペイン,トルコ,オマーンに滞在していないことを条件に,公用旅券の場合は,G20査証,一般旅券の場合は就労査証及び長期滞在許可証があれば入国が認められる(現場レベルで対応が一致しておらず,入国できないケースも見られる)。

サモア
特定の国(注:日本を含む)を出発又は経由してサモアに渡航する場合は,最終渡航地において自らの検疫のため14日間滞在し,サモアに最終的に渡航する前の3日以内に健康診断を受けなければならない。

シリア
感染者の報告された全ての国(注:日本を含む)からの,査証上入国目的が「観光」である全渡航者の入国を禁止する。ただし,シリア居住資格保持者の帰国時は,その居住資格を証明する書類を提示することで入国を許可する。

中国
3月10日から,①観光,②知人訪問,③トランジットの3つの目的による日本人の中国訪問について,15日以内の滞在であれば査証を免除する措置を一時的に停止する。商用及び親族訪問目的の中国訪問については,引き続き査証免除が適用されるが,中国国内の招待側が7日以内に発行した書類の原本を提示する必要がある。当該書類には,当事者の氏名,中国国内の担当者及び連絡方法が含まれていなければならない。

ネパール
3月10日から,日本,中国,イラン,イタリア,韓国国籍者に対する到着査証の発給を一時停止する。また,同国の国籍者の査証申請時及び入国審査時に新型コロナウイルスに感染していない旨が記載された7日以内に作成の健康証明書の提出を求める。

ブータン
3月6日から2週間,公用目的を含む全ての渡航者(国際機関職員や現地での就労許可を有する者を除く)の入国を制限する。

マレーシア
入国前14日間に日本の北海道,イタリアのロンバルディア,ヴェネト,エミリア=ロマーニャ,イランのテヘラン,ゴム,ギーラーンに滞在した全ての者(マレーシア国民,永住者,マレーシア人配偶者パス及びマレーシア学生パスを有するものは除く)は,一時的にマレーシアへの入国を禁止する。

モンゴル
過去14日以内に,日本,韓国,イラン及びイタリアに滞在歴のある外国人・無国籍者の入国を禁止するとともに査証申請・発給を停止する(ただし,韓国,日本,イラン及びイタリアでの通過歴のみの場合は,入国が許可される)。

さらに、入国後の行動制限措置をとっている国と地域は上記の国々も含めて70か国にのぼっています。
変なふうに誤解しないでいただきたいのですが、厳しめの措置をとっている国や地域は、主に先進国ではなく、医療機関の発達が遅れている国が多くなっています。
日本では、国民皆保険制度があり、医療機関も充実していますので、いくら新型コロナウイルスといっても死にいたることは稀ですが(高齢者・病人・医療従事者は除く)、途上国の医療体制ですと、新型コロナウイルスはとんでもなく危険なものとなりますので、こういった措置がとられるのは当然かもしれませんね。

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